グーグルの最高経営責任者(CEO)は人工知能(AI)革命を、人類が火を利用することになぞらえている。だが、この革命を加速するための「デジタル燃料」を業界は十分に確保できていない。新しい生成AIシステムの生命線である先進半導体が不足しているため、計算能力を確保したり次善策を見つけたりする競争が始まっている。AIに使用されるGPU(画像処理半導体)は、ほぼすべてがエヌビディア製だ。人間のように質問に答えることができるチャットボット「チャットGPT」が急速に普及していることで、GPUの需要は急激に高まり、供給をはるかに上回っている。企業がチャットボットのようなAIモデルを構築するのを支援するスタートアップ企業ラミニの共同創業者でCEOのシャロン・ジョウ氏は「供給が不足しているため、人脈がカギとなる」と語る。「コロナ下のトイレットペーパーのようなものだ」