ゲーム知財に黄金期到来か マリオなど映画化相次ぐPhoto:Future Publishing/gettyimages

 任天堂のメガヒットゲームを基にしたイタリア系米国人の双子の配管工マリオとルイージが活躍する映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、4月5日の公開以来、興行収入を独占し、世界で11億5000万ドル(約1600億円)以上を稼ぎ出している。

 同作は今年最大の映画というだけでなく、ビデオゲームを原作とする作品の中で史上最も経済的に成功した映画でもある。この背景には、ゲーム知的財産(IP)の広い発展がある。制作会社は「プレイステーション」や「Xbox(エックスボックス)」、任天堂のゲームからストーリーやキャラクターを抜き出し、映画という「金(きん)」に変えている。

「過去20年、ハリウッドはIPの映像化に夢中だったが、西洋の伝説やおとぎ話から始めていた。アーサー王やピーター・パン、ヘラクレスの映画などがあったが、ほとんどはうまくいかなかった」。アマゾン・ドット・コムのコンテンツ制作会社アマゾン・スタジオの元戦略責任者で、現在は制作会社イピリオンの最高経営責任者(CEO)を務めるマシュー・ボール氏はこう話す。しかし、若者や米国外の人たちはそのような物語に関心を示さなかったため、「ハリウッドが世界に通用する映像化可能な新しいIPを探し始めたことで、ストーリー性の高いゲームが(ハリウッドに)流入するようになった」とボール氏は述べた。