インフレ・円安の時代に入った今、資産を預金だけで持つことはリスクがあり、おすすめできない。「先行き不透明な時代」には、これまで投資に無縁だった人も資産を守り・育てるために資産運用を始める必要がある。『このままではあなたの現金の価値が下がる! インフレ・円安からお金を守る最強の投資』(朝倉智也著、ダイヤモンド社)が発売された。本書は、投信業界のご意見番が新しい時代を乗り切る「究極の運用法」をアドバイスするお金の入門書。大切なお金を守り増やすためには、どうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。
資産管理のベースは、
コストが低いインデクスファンドを選ぶ
資産管理の基本方針が決まったところで、具体的に「安定的に運用する債券ファンド」と「積極的に運用する株式ファンド」を選びましょう。
投資信託が6000本近くもあると聞くと「選ぶのが大変そうだ」と思われるかもしれませんが、どうぞご安心ください。それぞれ1本ずつ、私がお勧めのファンドをご紹介します。
先にご説明したように、資産管理のベースとして利用するのはインデックスファンドが向いています。基本的には、幅広く世界に分散投資できる指数に連動するファンドの中から、コストが低いものを選びます。
また長期で運用していくことを考えると、ファンドが運用をやめて資金を投資家に返還する「償還日」を確認し、運用期間を十分にとれるかどうかはチェックすべきでしょう。
「為替ヘッジコスト」がかかる分、
リターンは定価下する
なお、世界の株や債券に投資するファンドには「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」のタイプがあります。「為替ヘッジ」とは、為替レートの変動の影響を抑えることです。
為替レート変動の影響を抑えるには先物取引などの手法を使うため、「為替ヘッジコスト」がかかります。「為替ヘッジあり」はこのコストの分だけリターンが低下します。
また先にご説明したように、資産価値の保全を考えるのであれば通貨の分散を図ることも重要です。このため本連載では、コストがかからず通貨を分散できる「為替ヘッジなし」を基本とします。
(※本稿は『インフレ・円安からお金を守る最強の投資』の一部を抜粋・編集したものです)
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号(MBA)取得。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。1998年モーニングスター株式会社(現 SBIグローバルアセットマネジメント株式会社)設立に参画し、以来、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。SBIホールディングス株式会社 取締役副社長を兼務し、SBIグループ全体の資産運用事業を管掌する。主な著書に『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。