特別買収目的会社(SPAC)ブームで投資家は何十億ドルもの代償を支払うことになった。しかし、上場したSPACの内部者は彼らと反対の取引をしていた。
SPACを通じて上場した企業の幹部や初期の投資家は、絶妙なタイミングの取引を通じて220億ドル(約3兆0800億円)相当の株式を売却し、株価急落前にもうけていた。
中でも大きな利益を得たのが、プロバスケットボールチーム「デトロイト・ピストンズ」のオーナーであるトム・ゴアズ氏の投資会社プラチナム・エクイティ、英富豪のリチャード・ブランソン氏、有罪評決を受けた米電気自動車(EV)新興企業ニコラのトレバー・ミルトン元会長などだ。彼らを含む多くの内部者が株を安く手に入れ、株価が上がったときに売却していた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がSPACと合併した200社超の企業に関連したインサイダー取引の開示資料を分析した結果、明らかになった。