SPACイメージ画像Photo:PIXTA

8月に『日本版「SPAC」の導入に反対する3つの理由、矛盾した汚い仕組みは必要ない!』というタイトルで、日本版SPAC(特別買収目的会社)の導入反対論を書いた筆者だが、考えを変えた。現在の新規株式公開(IPO)よりもマシかもしれないと考えたからだ。現在のIPOプロセスはSPACで考えられる以上に「悪い」ものである可能性がある。その理由を説明しよう。(経済評論家、楽天証券経済研究所 山崎 元)

日本版SPAC導入は既定路線か
筆者が反対派から賛成派に転じた理由

 予想の問題として、わが国にあって「SPAC」(Special Purpose Acquisition Company:合併を目的とする特別目的会社)は実現するだろう。そして、筆者個人は、SPACの導入に関して現在、必ずしも反対ではない。

 SPACについて筆者は、8月25日付けの本連載で『日本版「SPAC」の導入に反対する3つの理由、矛盾した汚い仕組みは必要ない!』というタイトルで、導入反対論を書いている。意外だと思われる読者がいらっしゃるだろう。まず、この点について説明する。

 筆者は、日本取引所グループ(以下「JPX」)が主宰する「SPAC制度の在り方等に関する研究会」の第1回および第2回の会合に参加した。そして、3回目以降、同研究会から離脱した。

 JPX側からは当初、SPACについて「導入するかしないかについては、中立的な立場から議論をする」という説明を受けて参加した。ところが、事務局による議事の運営は本質的な議論に踏み込まず、導入の際の論点出しに終始するもので、議論の進め方がフェアでないと感じた。また、そもそも会の進め方が、議論のできる建て付けになっていないことも不満で、筆者はこの研究会を辞めることにした。