米ウォール街が株式市場にこれほど弱気なのは10年超ぶりのことだ。ただし、ハイテク株は別だ。ヘッジファンドなどの投機筋は、S&P500種指数下落への賭けを積み上げ、2007年以降で最も弱気のポジションをとっている。一方、ハイテク株中心のナスダック100指数に対しては上昇を見込んでおり、ここ数週間で強気と弱気のポジション差が拡大。ネットポジション(買い越し)が昨年末以来の高水準に迫る勢いだ。この数字は、ビスポーク・インベストメント・グループが集計した米商品先物取引委員会(CFTC)のデータに基づく先物取引の建玉(ポジション)の比率によるものだ。ポジションのかい離は、今年見られる株価上昇のもろさを反映するとストラテジストは指摘。S&P500は今年12%上昇しているが、ハイテク大手7社の寄与がなければマイナス圏に沈んでいた(5月末までのS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのデータによる)。つまり大企業のうち1社か2社でも失敗を犯せば、S&P500は急落する可能性があるということだ。