米国の充電器を巡る戦いで米電気自動車(EV)メーカーのテスラが勝利といえるものを手にしたことは、誰にとっても良いことだ。ただし若干の例外もある。米フォード・モーターに続き、米ゼネラル・モーターズ(GM)も自社の次世代EVにテスラの充電規格を採用すると8日に発表した。GM車は来年からテスラの充電網を利用できるようになる。発表を受けてテスラの株価は上昇し、時価総額が400億ドル(約5兆5700億円)ほど増加した。同サービスはおそらく利益率が低いことを踏まえると、市場の反応は過剰にも見えるが、方向性は理にかなっている。双方にメリットがあるからだ。フォードとGMが加わることでテスラの充電網は稼働率が上がり、フォードとGMはEVの航続距離を気にする潜在顧客の不安払しょくに一歩近づく。航続距離は依然としてEV普及の障壁となっている。