中国は今年に入って2度、自動車業界に動揺をもたらした。まず、上海モーターショーで中国製の電気自動車(EV)が品質・機能・価格で西側ライバルを驚かせた。その後、第1四半期に中国が日本を抜き世界最大の自動車輸出国になったと報じられ、再び衝撃を与えた。世界で最も評価され、金になる消費財市場――長らく米国・欧州・日本・韓国のブランドが支配してきた――でトップに立つために中国はどのように戦っているのだろうか。産業政策と保護主義、国内の激しい競争を独自に組み合わせたというのがその答えだ。西側の政策立案者や財界のリーダーは三つ目と比べて、最初の二つについてはしっかりと対策を立てている。まず産業政策――政府が目をかけている業界を支援するために公的資源を使うこと――から見てみよう。中国は以前から産業政策を実施している。現在は米国でも支持されるようになったが、産業政策という概念には依然として賛否がある。どの国の政府も勝ち目のある技術の見極めに成功してきたとは言い難く、凡庸で無駄な生産能力に補助金を出す羽目になることも多い。この点では中国も例外ではない。
中国巨大EV産業は西側への警告
中国で設計・生産されたEVは競争圧力と創意工夫によって手ごわい競争相手になった
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