株価が回復を続ける中、米企業とその大株主が数年ぶりのペースで株式を売り出している。調査会社ディールロジックによると、企業やプライベートエクイティ(PE)投資会社が4月末以降に行った株式の追加売り出しは240億ドル(約3兆3400億円)超となった。5月だけでも170億ドルを超え、昨年の月平均の69億ドルを大幅に上回った。また、堅調な市況を反映し、これらの売却は平均してディスカウント率が通常よりも小幅だった。S&P500種指数は先週、2022年10月の安値を20%上回り、新たな強気相場に突入。大手IT(情報技術)株が上昇した。同指数はインフレなどの懸念が重荷となり昨年から下落していた。今回の株式売り出しの半分近くはPE投資会社など大株主によるもの。PE投資会社は、企業(またはその一部)を売却し、資金提供元である年金基金などに資金を還元するためのクリエーティブな方法を模索していた。