この1週間のわずか24時間の間に、世界の三大経済圏の中央銀行がまったく異なる決定をした。ユーロ圏は金利を引き上げ、米国は据え置き、中国は引き下げた。投資家にとっては世界経済を読み解くのがますます難しくなり、米連邦準備制度理事会(FRB)にとってはインフレの歯止めが一段と難しくなるかもしれない。このように三者三様となったのは、経済がそれぞれ個別の動きを強めているためだ。欧州はテクニカルなリセッション(景気後退)に陥っているが、欧州中央銀行(ECB)はインフレが続くと予想している。中国にはインフレの問題はないものの、長期のロックダウン(都市封鎖)と不動産バブルの後遺症に苦しんでいる。米経済は驚くほど好調で、インフレ率は低下したものの、基調的な物価上昇はしつこく高止まりしている。
ばらばらの世界経済をつなぐもの
中銀の政策が異なっていても、大半の資本市場は依然としてドルに連動
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