米連邦準備制度理事会(FRB)が追加で0.25ポイント利上げするのか0.5ポイントなのか(恐らく後者だ)、あるいは年内に利下げを再開するのかどうか(ほぼ確実にないだろう)に関心を奪われ、それに基づいて投資するのも無理はない。だが今こそ一歩離れて考えるべきだ。FRBがどんな発言をするのか、会合で何を決めるのかを、投資家はよほどのことがなければ気にしなくてよい。長期リターンを得るために真に重要なのは、進行方向を正しく捉えることだ。その手がかりは米経済にある。FRBが取り組む微調整は、経済状況からすると的外れだ。投資家はそのはるか先を見据えており、強気派は進行方向が変わったと考えている。市場がすでに織り込むのは、一段の金利上昇ではなく、鈍化してもかなり粘着性があるインフレ、より高い水準でより長く維持される金利、そして持続的に成長する経済だ。株価は上昇し、国債利回りは従来高いとされてきた水準でおおむね安定し、ジャンク債(低格付け債)のリスクプレミアム(米国債に対する上乗せ利回り)は急速に縮小している。これらは全て同じ方向、つまり強気の方向を指している。