「子どもには、少しでも体によいものを食べさせたい!」ですよね。
でも、ごはんは毎日のこと。なるべくシンプルで簡単に済ませたいものです。
この連載では、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生が、最新の医学データをもとに「子どもが食べるべきもの、避けるべきもの」をご紹介します。
本書の読者からは、
「子を持つ親として、食事の大切さがよくわかった」
「本を読む習慣がない私でも読みやすく、頭に入りやすかった」
「何度も読み返したい本!」

などの声がたくさん届いています。不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験によってわかった本当に子どもの体と脳によい食事。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。

【小児科医が教える】「子ども用サプリ」は、積極的に与えたほうがいい? 悪い?Photo: Adobe Stock

食事だけで十分な栄養を摂らせたいけど、
現実は?

 欧米のサプリメントの歴史から比べると、日本のサプリメントの歴史はまだ浅く、いまだに多くの親たちが「食事で栄養をまかなえるようにしたい」と考えているようです。

 ところが、

 ●食材そのものに含まれるビタミン・ミネラルの量が、以前よりも確実に減っている
 ●食事だけで心身の健康を作り、維持して、増進するだけの栄養を摂ることが実際には難しい
 ●バランスのよい食事を摂ることが、ほとんどの家庭において不可能に近い

 という現実があります。
 それを踏まえて食事だけで完璧を目指そうとせず、乳児のころからでも、栄養補充療法としてサプリメントを導入してよいと考えています。

どのサプリメントが安全なの?

 ドラッグストアやネットで、大容量のサプリメントが安く、お買い得感満載で販売されています。しかし、ネットでのサプリ購入には注意が必要です。なぜなら粗悪品も多く、肝障害などカラダを壊すことが実際にあるからです。

 子どものサプリ選びは、できれば信頼できる医師に相談してください。信頼する医師が「サプリメントは摂らなくても大丈夫ですよ」と答えたら、その意見を尊重して、摂らないという方針に決めるのも間違いではありません。

 相談できる医師が近くにいない場合、誰もが聞いたことのある製薬会社や大手メーカーの製品を選ぶのが1つの方法です。
 当クリニックでは血液検査を行って、結果に応じたご指導をしています。市販されているあるメーカーのサプリメントを4ヵ月摂取した患者さんを検査したところ、補給されているはずの栄養素の数値が上がっていなかったという例が数件あります。

 相談できる医師がいないといった理由で、サプリメントを使うことに不安があるようなら、ドラッグストアをはじめとするショップで販売されている、乳幼児向けの栄養機能食品(鉄やカルシウムが強化されたウエハースなど)や、ビタミンDが強化された卵甘くないシリアルといったものから取り入れてみましょう。

 このほかにも『医師が教える 子どもの食事 50の基本』では、子どもの脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方をわかりやすく紹介しています。

(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本』から一部抜粋・編集したものです)