中国には、軍隊から巨大な市場に至るまで、地政学的な影響力の源がたくさんある。おそらく最も強力だが最も評価されていないのは、世界のサプライチェーン(供給網)の中で中国が築いてきた要所としての立場だろう。  ジョー・バイデン米大統領は、この状況がもたらす(米国の)脆弱(ぜいじゃく)性に対処するため、外交政策で多くの措置を取ってきた。その中には、中国に代わる製造拠点になることを目指すインドとの関係緊密化や、欧州との重要鉱物を巡る協定締結に向けた交渉が含まれる。  奇妙なことに、バイデン氏は貿易協定というもっと明白な手段を使っていない。