生成人工知能(AI)の普及で、著名人のデジタル分身がネットに登場する頻度が増えているが、その多くは本人の許可を得ていない。だが今、このAIブームを利用しようとする著名人も現れている。彼らはブランドと契約し、AIが生成した自身の複製を宣伝や広告に組み入れることで、自身の肖像をより適切に管理し、契約の幅を広げている。一方、ブランドは、スター本人では決してできない方法でデジタル分身を利用できる。例えば、外見を若返らせたり、本人にはできない芸をやらせたり、顧客とその場で突然会話させたりといったことだ。AIスタートアップ企業メタフィジックのトム・グレアム最高経営責任者(CEO)は、著名人は「報酬は受け取るが、姿を現す必要はない」と話す。3次元(3D)スキャナーのあるスタジオで数分過ごすだけでいい。それだけでデータを基に彼らの分身を生成し、何時間分ものコンテンツを作成することができる。