先週末の劇的な軍事的反乱を受けて、ロシアのメディアは26日、多くの一般の国民が感じたのと同じような混乱と驚きに包まれた。実業家エフゲニー・プリゴジン氏がロシア軍幹部との確執を激化させようと決断したことで起きた今回の騒動で、ロシア全土の人々は何が起きるのか固唾(かたず)をのんで見守った。プリゴジン氏率いる民間軍事会社ワグネル・グループは24日にまずロシア南部の陸軍基地を占拠し、その後モスクワに向けて北進した。ロシア大統領府がプリゴジン氏をベラルーシへ安全に移動させると申し出たことを受け、同氏は結局、撤退した。同氏は26日、反乱はワグネルの兵士たちの処遇を巡る抗議行動だったと語った。しかし、今回の反乱はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の政治的支配力が脆弱(ぜいじゃく)であることをさらけ出した。多くのロシア人はプーチン氏に忠誠心を持ち続けるべきかプリゴジン氏を支持すべきかで迷った。ワグネルは、ここ数カ月間にウクライナで大きく前進したロシア唯一の部隊だ。