トヨタ自動車の豊田章男会長(67)は涙を見せた。今回も。豊田氏は今月14日に開催された年次株主総会で、社長就任当初に他の幹部から疎まれていると感じていたことや、その経験が一般社員との絆を深めるのに役立ったことを振り返りながら、涙ぐんだ。「(私は社長の息子として)できるだけ関わらないほうがいい存在、いうなればアンタッチャブルな存在になっていた」。豊田氏はトップに就いた当初についてこう述べ、「支えてくれたのが、現場の仲間でした」と涙をこらえながら語った。豊田氏は、株主総会を年に一度、自身を見つめ直す機会だと考えていると語っており、そこで涙ぐむのは今や恒例となっている。「涙もろい社長」を自認する同氏のそうした姿は、自動車王一族の御曹司に抱く世間のイメージとはかなり異なる自己像を露呈している。
トヨタEV化、涙でブレーキ踏む豊田会長
「声なき多数派」を自認、ハイブリッド車などの提供を継続
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