小さな半導体チップが大国間の争いの種になっている。  世界各国で半導体メーカーに政府補助金を出す動きがみられるが、争いに加わっていたのは、最近までは中国と米国、それに両大国に挑戦する韓国や台湾など、一握りだった。  だが今、世界第3位の経済大国で、高い技術力を持つ日本が参戦しようとしている。  日本は半導体サプライチェーンの心臓部でリーダーシップを発揮し続けるため、断固とした行動に出ている。1970年代から80年代の骨太の産業政策をほうふつとさせる動きだ。こうした政策は自動車や半導体など、高度な技術を伴う製造業の主要分野で圧倒的地位を築くのに貢献した。