米中関係の緊張によるリスクを軽減するため、中国事業の一部の独立性を高める「サイロ化」に取り組む西側企業が増えている。米顧客関係管理(CRM)ソフトウエア大手セールスフォースは、中国で提供する製品やサービスの一部について、現地パートナーに運営を任せるモデルへの移行を進める。中国事業を実質的に世界全体の業務運営から独立させることになる。独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、中国半導体メーカーと共同開発中の技術を中国国内に残しておく考えだ。仮にその技術が西側の厳しい監視を受けたり、米国の経済制裁の対象になったりしても、痛手を受けないようにするためだ。衛生陶器や水回り製品のブランドである米アメリカンスタンダードや独グローエを傘下に持つ日本の住宅設備・建材大手LIXILグループは、中国向け商品は中国で製造し、米国向け商品は主に北米で製造するようにサプライチェーン(供給網)を再編している。
中国事業の「サイロ化」 米中リスク回避の新戦略
現地向けのサプライチェーンや運営を本国から分離する西側企業が増加
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