エフゲニー・プリゴジン氏が率いる前科者や雇い兵たちの部隊がモスクワに向けた進軍を停止した数時間後、ロシア大統領府はこの悪名高い軍事起業家が築いた世界的な帝国の完全掌握に着手した。ロシアの外務次官はシリアのバッシャール・アサド大統領にメッセージを直接伝えるため、同国の首都ダマスカスを空路訪れた。そのメッセージは、民間軍事会社ワグネル・グループの部隊がシリアで独立して作戦行動をすることはもうないという内容だ。ロシア外務省高官は中央アフリカの大統領に電話し、24日の危機によってロシアのアフリカへの勢力拡大が頓挫することはないと約束した。中央アフリカ大統領の私的な護衛にはワグネルの傭兵が含まれる。ロシア非常事態省が用意した複数の政府専用機はシリアから、ワグネルのロシア国外にあるもう一つの主要な前哨基地であるマリへ向かった。