米連邦最高裁判所は29日、大学が入学者選考で人種を考慮するのは違憲との判断を示した。米難関大学が学生の多様性を確保するために用いてきた主要な手段である積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)が排除されることになる。この判決により、数十年にわたり多様性の追求を掲げていた米高等教育機関は、入学基準の見直しを迫られることになる。大学関係者は、難関大学に黒人を中心とするマイノリティーが一定の割合で入学できるようにするには、人種優遇措置に代わる手段はないと主張してきた。入学審査の担当者はマイノリティーの志願者を機械的に優遇できなくなり、学業成績やスポーツなどの課外活動、卒業生や寄付者の意向といった選考基準の中で、人種的多様性をどう位置付けるかを決める必要がある。