ハーバード・カレッジ(ハーバード大学の学士レベル)のラケシュ・クラーナ学部長は昨年12月の大学新聞のインタビューで、4年生に対するアドバイスを求められるとこう言った。「むやみに『H爆弾』を落とすべきではない」「H爆弾」とは、自身がハーバード大学の学生または卒業生だと明かすことだ(通常は水素爆弾=hydrogen bombの略称)。在校生に聞けば、自分がハーバードの卒業生であることを他大学の出身者に説明するのは一筋縄ではいかないという返事を繰り返し聞くことになるだろう。ハーバードの合格率は現在、歴史的な低水準にある。米最高裁判所は29日、同大の積極的差別是正措置(アファーマティブアクション)の合憲性について、大学が入学者選考で人種を考慮するのは違憲との判断を示した。。これまでの裁判で、寄付を行った支援者の子どもや卒業生の子孫、社会経済的に恵まれない志願者が入学事務局によって優遇されていることを示す証拠など、同大の不透明な選考過程が明らかになっている。