米ニューヨーク・マンハッタンの不動産ブローカー、リサ・リップマン氏は、セントラルパークを眼下に望む、スカッシュコートやプールを備えた700万ドル(約10億円)超のマンションに金回りのよい顧客を案内していた。そのとき、ここ数年のある変化に気づいた。購入希望者はもはやバンカーではなく、弁護士ばかりだということだ。「以前は投資銀行のバンカーだと聞くと、すごいと思った。今はそう聞いてもただ、ふうんと思うだけだ」と元弁護士のリップマン氏は言う。「好きな客を挙げるなら、それは大物弁護士だ」バンカーはかつて弁護士の何倍もの収入を得ていたが、このところ弁護士の躍進ぶりが目につく。その原因はバンカーの給与がごく一部のトップパフォーマーを除いて停滞気味なことや、法律事務所の力学の変化にある。最近は合併・買収(M&A)などのディールメーキングが失速してバンカーの給与は低迷するが、それ以前からこの傾向は広がっていた。
ウォール街の高給取り、もはやバンカーではない
弁護士が逆転、年収20億円荒稼ぎも
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