原油市場はサウジアラビアをはじめ、相場回復を見込むあらゆる人たちに警告を発している。「期待してはいけない」サウジは先月発表した減産計画に基づいて週末から原油生産量を減らした。サウジ当局は、今年後半には需要が生産を上回り、石油生産業者に再び莫大な利益をもたらす相場上昇が起きると考えている。国際エネルギー機関(IEA)や米銀行も2023年後半に需要が回復するとの見方で一致している。問題なのは、原油市場の見方がこれとは違うことだ。主要な市場指標は、トレーダーらが供給は数カ月にわたり減少しないと考えていることを示唆している。この指標は、受け渡し日が異なる限月間の価格差に基づくもの。ここ数日、北海ブレント原油先物は期近物の価格が期先物を下回っている。「コンタンゴ(順さや)」と呼ばれるこの状態は、供給が需要を十二分に満たしているシグナルだ。
原油市場、価格下落を示唆 サウジの期待裏切る
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