ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、首都モスクワの手前まで進軍する反乱に遭ったのに続き、史上まれに見る複雑な企業乗っ取りを指揮するという新たな試練に直面している。サンクトペテルブルクのガラス張り高層ビルにある民間軍事会社ワグネル・グループの本部は封鎖され、ロシア連邦保安局(FSB)の捜査官がその内部で捜索を続けている。先月起きた反乱を主導したワグネルの代表エフゲニー・プリゴジン氏に不利な証拠を集めるためだ。クレムリン(ロシア大統領府)の新たな支援を受ける複数の軍事会社がすでにロシアのソーシャルメディアに求人広告を出し、プーチン氏の長年の盟友だったプリゴジン氏がウクライナや中東、アフリカに配置していたワグネルの3万人の雇い兵やハッカー、資金管理者の一部を引き抜く勧誘活動を開始している。