米銀行はストレステストにかなりよく持ちこたえた。しかし、今後さらに大きな頭痛の種が待ち受けているようだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による国内大手行を対象にした年に一度の健全性審査の結果が先週発表されたが、不合格者がゼロというやや拍子抜けするものだった。最近の銀行危機を踏まえると、特にそうだ。しかし、合格・不合格はさほど重要ではない。テストの結果は、単なる前触れに過ぎなかったからだ。各行は6月30日、新たに求められる見通しの最低自己資本比率と、それを踏まえた配当や自社株買いによる株主還元計画を明らかにした。大手6行のうち1行を除く全行が、必要とされるストレス資本バッファーの水準が昨年のテスト時と比較して低下した。しかし、発表された還元計画に自社株買い拡大の波は見られなかった。銀行は余剰資本で自社株買いを目指すことが多く、銀行株が低迷している今はなおさらそれが期待される。