世界一周の船旅中の乗客が「出勤扱い」なのはなぜ?中国も注目!クルーズビジネス進化中クルーズ船内の様子(著者撮影)

「ピースボート」での出会い

 6月24日、私はパナマのクリストバル港に停泊していた大型クルーズ船、パシフィック・ワールド号に乗り込んだ。同船はNGO団体・ピースボートが船上イベントなどを運営する「ピースボート」の通称で知られている。

 ピースボートは1983年に設立され、今年創立40周年を迎えた。その節目の年に、日本発着で最大の客船であるパシフィック・ワールド号が、初めてピースボートの「世界一周の船旅」を背負うことになったのだ。

 洋上で講演を数回行うというのが今回の私の乗船目的だが、南米の大地に初めて降り立ったことは私にとって大きな刺激になった。

 パナマ運河を通過した後、西へ進むクルーズ船の右側にコスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、グアテマラ、メキシコなどの国々が続いている。これまでの人生の中で接点を持てなかった国々の人々と交流ができたら、と思わず期待する心境になった。

 同じくパナマ第二の都市クリストバル港で乗船する、あるグループと出会った。13人の若者の団体と6人のベネズエラ人の音楽家グループだった。