6月6日に中国産大型クルーズ船が進水した理由
6月6日、建造中の中国産・大型クルーズ船が上海外高橋造船で長江に進水した。年内の引き渡しを目指して工事の進捗率はすでに90%以上だといわれる。7月に海上試運転を行う予定で、これからは最終段階の仕上げ工事に取り掛かるとしている。
中国初の大型国産クルーズ船なので、日本流に考えれば、重要な進水セレモニーはやはり大安などの吉日を選ぶと思う。しかし、上海外高橋造船側が選んだのは、大安の6月8日ではなく、6月6日だった。
実は中国人にとって、「六」という数字は縁起がいいと信じられているからだ。「六六大順」ということわざもあるように、願いはすべて順調にかなえられるという意味がこめられている。しかも、その日は二十四節気では、ちょうど「芒種(ぼうしゅ)」に当たる。芒(のぎ)のあるイネや麦などの穀物の種をまく時期を意味する節句だ。種をまいてその植物が成長していく姿が連想できるから、「芒種は縁起が良い」と昔から認識されている。
なお、5月19日の「中国旅行の日」には、上海市文化観光局と中船郵輪科技発展(以下、中船クルーズ)は、クルーズ船の船名が「愛達·魔都号(アドラ・マジックシティー)」であることを発表した。
実はここまでの進展を振り返ると、中国政府と造船大手企業が慎重かつスピーディーにクルーズ船製造・運航事業を推し進めてきたことがわかる。