フランスの暴動が沈静化する中、総括が始まっている。エマニュエル・マクロン大統領は、ソーシャルメディアとビデオゲームを介して模倣の動きが広がったせいだと述べている。そうした批判はお門違いだ。問題は暴動のきっかけとなった事件にある。深く根ざした無秩序の力学が、移民系の若者と警察を対立させた。法を順守する多数派は、フランスが法執行に失敗してきたことの結果に直面している。  パリの西にあるナンテールで6月28日、2人の警察官が17歳の少年ナヘル・メルズークさんを検問で止めた。少年はポーランドナンバーの車を運転していた。