おすすめポイント
「職場のストレスがなくなる」「意見やアイデアが飛び交う」「生産性&成果がアップする」――本書の帯に書かれている、心理的安全性を高めることの効果だ。これを読んで「ぜひとも心理的安全性を高めたい」と思わないマネジャーはいないだろう。本書はその期待に120%応えてくれる。
著者は『ニューエリート』や『世界最高のコーチ』などの著書で知られる連続起業家、ピョートル・フェリクス・グジバチ氏だ。モルガン・スタンレーを経て、Googleで人材開発、組織改革、リーダーシップマネジメントに従事したのち、プロノイア・グループを設立し、経営戦略・組織開発・人材育成などに携わっている。
著者は本書の「はじめに」で「どんな会社でも、どんなマネジャーでも、心理的安全性を高めていくために必要な行動をマネジャーが取っていけば、実現できます」「大事なことは、職場のマネジャーが率先して心理的安全性を高めるための行動を取ることです」と断言している。
では具体的にどんな「心理的安全性を高めるための行動」を取ればいいのか――。本書にはすべての答えが詰まっている。そのうちの一つは「悩みや困り事を相談されてもすぐ解決方法を伝えようとしない」だ。
部下が「こんなことに困っていて……」と相談にきたとき、おそらく多くのマネジャーは、早く問題を解決したいという一心から、すぐに解決方法を指示するだろう。だが、解決方法を指示されたメンバーは「ないがしろにされた」と感じてしまうという。
本書では、さまざまなシーンにおける具体的な方法が示される。実践すれば、チームの雰囲気が変わり、成果が上がること請け合いだ。(庄子 結)