自民議員の半数が
旧統一教会とズブズブの関係
手続きで注目されるのは、捜査段階の供述調書だ。逮捕後、山上被告は「母親が教団に多額の寄付をして自己破産に追い込まれ家庭が崩壊した」と説明。前述のデスクによると、総額は約1億円に上るという。
そして安倍元首相を狙った動機について「教団を韓国から招き入れたのが岸信介元首相。だから孫の安倍元首相を殺した」と供述。そして、事件後に安倍元首相が一昨年9月、教団の友好団体「天宙平和連合」のイベントにビデオメッセージを寄せていたことが判明した。
事件をきっかけに、過去に霊感商法が取り沙汰されてきた教団と政治家との接点が次々と明るみになり、自民党は内部調査を実施。その結果、衆参両議長を除く国会議員379人中半数近い179人が組織的な選挙支援を受けるなど、何らかの接点が確認された。
しかし、この内部調査以降は野党の追及も手をこまねいている状態で、その後に自民党議員らが教団と手を切ったのかどうかは明らかになっていない。
宗教法人を所管する文化庁も教団に6回、質問権を行使し(1)組織運営や財産・収支、(2)旧統一教会の法的責任を認めた民事判決、(3)教団本部がある韓国への送金、(4)信者でつくる「信徒会」の活動実態、(5)高額献金を巡り教団側と被害者が示談した事案、(6)教団の管理運営――について、6月12日までに回答を得た。
文化庁は全国霊感商法対策弁護士連絡会と連携して高額献金した元信者への聞き取りも実施しているが、解散命令請求の可否についての判断はまだ先になる見通しだ。