米国民の経済面での二大懸念材料はリセッション(景気後退)とインフレだ。この二つには関連性がある。インフレが根強ければ根強いほど、それを引き下げるために景気後退が必要になる可能性が高まる。最新の統計は、そうしたリスクが減退しつつあることを示唆している。総合インフレ率は、昨年6月の前年同月比9.1%から今年5月は4%、6月は3%まで低下した。6月の低下の大半はテクニカルなもので、昨年6月の物価の急上昇が12カ月分の集計対象でなくなったためだ。こうした要因が再び起きることはないため、総合インフレ率は今後数カ月間に上昇する可能性がある。より明るい材料は、労働市場がまだそれほど軟化していないにもかかわらず、基調的なインフレ率がここ数カ月間で低下してきたことだ。このことは米経済がソフトランディング(軟着陸)する確率が高まっていることを示唆する。つまり、景気後退に陥ることなしに、インフレ率が米連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%付近に戻る可能性が高いということだ。
米インフレ鈍化、軟着陸の可能性高まる
過去の物価高は一時的なものだと最新統計が示唆
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