「あの人、なんであんなことを言ってきたんだろう」「この仕事、ちゃんと締め切りまでに終わらなかったらどうしよう」など、いろいろ考えて眠れなくなることはないだろうか? 寝るときにグルグル思考が止まらなくなる人におすすめなのが、2023年6月28日に発売になった『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「読んでいるだけで心が楽になる」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して紹介する。

ストレスが消えていく「寝る前の呼吸法」とは?Photo: Adobe Stock
【ストレスが消える5回呼吸法】
ストレスは、自分が感じていることを言葉にすることではじめて発散できる。
鼻から息を吸い込むときに、「言葉にする能力が、酸素とともに私の中に取り込まれていく」と頭の中で唱えてみよう。そして、口から息を吐くときに「自分の今日1日の感情が、言葉とともに吐き出されていく」と頭の中で唱える。
このように自分の「吸う息」と「吐く息」を感じていくと、脳内にたまっていたストレスがどんどん減っていく。これを5回くり返すと、「言葉にできなかったストレスをちゃんと吐き出せた」という自己暗示がかかり、いつの間にか深い眠りの中に落ちていく。

いつも不満や愚痴でいっぱい……

ある男性は、いつも周りの人に不満と愚痴ばかりもらしていました。上司の不満や会社の愚痴を話し出すと止まらなくなります。

会社の同僚も最初のうちは「うん、うん、そうだよね」と聞いてくれているのですが、その方があまりにも同じ話をくり返すので、「また言ってるよ!」とだんだん相手にしてくれなくなります。

その男性はいつも陰では愚痴や文句を言っているのに、上司から無理難題を頼まれると「あっ、はい」と何も言葉が出なくなって引き受けてしまいます。

雑用ばかり上司から押しつけられて、自分の本来の仕事がちっとも進みません。

上司からは「どうしてみんなと同じように仕事がちゃんとこなせないんだ!」と怒られ、仕事の評価は一向に上がらず、給料の等級は同期では一番下になっていました。

同期はみんな昇給や昇進しているのに、自分だけ雑用を押しつけられて、残業しても仕事が終わらず、「残業するな」と上司から注意されても何も言えません。

そんなことをくり返していたら夜も眠れなくなって、寝ても疲れが取れず、よけいに仕事ができなくなってしまったのです。

「ストレスが消える5回呼吸法」とは?

そんなときに「ストレスが消える5回呼吸法」をカウンセラーから教えてもらいました。
いつもより早めに布団に入って、自分の呼吸に注目してみます。

息を吸い込むときに、頭の中で「言葉にする能力が、酸素とともに私の中に取り込まれていく」と唱えます。

さらに鼻から吸った息をフーッと口から吐くときに、「自分の今日1日の感情が言葉とともに吐き出されていく」と頭の中で唱えてみます。

それを5回くり返していたら、なぜか頭がボーッとしてきていつの間にか眠りの中へ落ちていました。

上司の依頼も無理せず断れる

夢の中では、なぜか自分の怒っている姿が見えます。
愚痴っている姿ではなくて、誰かに言葉で怒りをぶつけているようです。

翌朝、いつもだったら「起きるのだるいな~」と思っているのに、スッキリと起きることができます。最近は全然頭が働かず、体も重かったのに、気楽に仕事に取りかかることができました。

最初は「夢の中で記憶が整理されるわけがない」と半信半疑でしたが、「もしかしたら、ちゃんと記憶が整理されているかも」と思えて、眠るのが楽しみになります。

それまでダラダラと残業しているせいで、帰りが遅くなって寝る時間も削られるような状態でした。それが呼吸法を試すようになると、さっさと仕事を切り上げられます。

布団に入ったら呼吸に注目して、「ストレスが消える5回呼吸法」を実践してみます。

4回目ぐらいで頭がボーッとしてきて、5回目には「もうどうでもいいや」という感じで、何も考えられなくなって眠ってしまいます。

それをくり返していたら、あるとき上司から「そろそろ調子がよくなってきたみたいだから、この仕事を引き受けてもらえないか」と仕事を振られそうになりました。

そこで思わず男性は、「今はプロジェクトの仕事が終わっていないので、引き受けられません」とキッパリ断ってしまって、言ったあとで、「うわ! しまった!」と思いました。

断ったら上司も表情が固まっていたので、「どうしよう!」と焦るのですが、「それでは仕事がありますので」と、上司の席から離れていく自分にびっくり。

席に戻ったときに、断ったことへの罪悪感は多少あったものの、それ以上に気持ちがスッキリしていて、目の前のことに集中できます。そして、ちゃんと仕事を定時で終わらせることができました。

「たまっていたストレスで仕事ができなくなっていたんだ!」

そう気づくと、呼吸法を使って眠るのが楽しみになっていたのです。

(*本稿は『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』より一部抜粋、再編集したものです)