2023年の首都圏中学入試の受験者総数は過去最高を記録した。開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「マウンティング癖がある子ども」親の行動に1つの共通点Photo: Adobe Stock

女の子は「競争疲れ」させないように

 VAMOSを「首席卒業」しているのは、ここ数年ずっと女の子です。

 女の子が優秀になってきたことに加え、親の意識も変わっているからでしょう。

 女性の社会進出が進んだこともあり、女の子に対して「おしとやかであればいい」などと考える親は少なくなりました。

 逆に、世界で通用する子に育てようと、男の子の120パーセントくらいの努力をさせている傾向にあります。

 そのため、女の子は向上心も強く、常に競争を意識しています。

 とはいえ、まだ12歳にもなりませんから、「負けるが勝ち」という概念はなく、引くことなく突き進みます。

 戦って、戦って、戦っているのです。

 しかし、ずっとそれをやっていると競争疲れしてしまいます。

 ひとりっ子の女の子に対しては、少し、競争心を抑えめにしてあげるくらいでいいでしょう。

マウンティングがクセになっていませんか?

 また、親も競争のスイッチが入っている場合があるので注意が必要です。

 マウンティングがクセになっているような女の子も多いのですが、そうしたケースの9割は、母親もマウンティングがクセになっています。

 でも、母娘揃って「○○ちゃんに勝った」をやっていれば、いつかマウンティング疲れするのは目に見えています。

 それに、マウンティングを続けていると、自分ではなく他人に焦点を合わせるようになってしまいます。

 その他人が実は学力が低ければ、自分のレベルまで下がっていきます。

 子どもの競争心について、親は客観的な目で育ててあげることが必須です。

 競争は大事だけれど、マウンティングはやめましょう。マウンティングは百害あって一利なしです。