開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「成績が伸びる家庭と伸びない家庭」親の行動に決定的な差Photo: Adobe Stock

ひとりっ子は、自分自身を過小評価しがち

 親が掲げた高い理想に届かないひとりっ子は、自分のことを現状より過小評価しがちです。

 テスト結果について「どうだった?」と聞かれたときに、「全然ダメだった」などと、実際よりも悪く答えるのは、ひとりっ子に多いのです。

 こうした子どもは、100を目指していて今は60にいるとしても、「自分は50くらいだ」という判断をします。

(1)過小評価ではなく、正確な現状分析を行う

 このような態度について、「低く見積もっているくらいのほうがいいだろう」というのは間違いで、それをやればスタートから計画がぶれてしまいます。

 大事なのは、正しい現状分析です。これは、親の大事な仕事です。高すぎることも低すぎることもなく、正確な分析を行い、最適な目標設定と行動計画を立てていきましょう。

 親にとってこれは簡単なことではありませんが、すでに子どもが中学受験を終えている人などから話を聞くことは、自分の子どもを客観視する上で役立つでしょう。

(2)得意教科に口出しはNG、ひとりっ子のやる気がそがれてしまう

 学習計画を立てるときに、得意教科についてうるさいことは言わないでおきましょう。好きなことに関しては、ひとりっ子は勝手にどんどん伸びてくれます。

 つい「この問題集はどう?」「これやったら、いいんじゃない?」など、よかれと思ってアドバイスをしてしまいますが、子どもは自分のやり方で、その教科が得意になったのですから、そのやり方を続けさせるのが一番です。親の口出しで違う方法をとらせたら、おそらく成績はダウンするでしょう。

 どうしても手を貸さずにいられないなら、参考書や問題集などを渡す程度に留めましょう。「これをやったら?」まで言わずに、机に置いておくくらいで我慢してください。

 ひとりっ子は親の助言を聞く耳を持っています。だからこそ、かえって子どもの伸びを鈍化させてしまうことがないように注意してください。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)