オフィス物件の投資家は米国の多くの都市から撤収しつつあるが、その一部は日本に資金の避難先を見いだしている。大半の労働者が出社勤務を再開し、銀行も融資に積極的なためだ。米不動産投資会社ラサール・インベストメント・マネジメントや英資産運用会社M&G、シンガポールの複合企業ケッペル・コーポレーションなどの外国勢は市場の安定性に魅力を感じ、日本のオフィスビルを購入している。ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)によると、日本のオフィス不動産への投資額は今年1-3月期に40億ドル(約5600億円)を超え、前年同期の2倍余りに達した。米国では、大手年金基金や不動産開発会社が自らの保有するオフィスビルを値引きして売却している。CBREによると、オフィス空室率は主要都市で急上昇し、4-6月期にはニューヨーク・マンハッタンで16%、サンフランシスコで32%に達した。東京中心部のビジネス街のオフィス空室率は6%前後で落ち着いている。