韓国で長く読まれている勉強の本がある。1冊は、日雇い労働をしながら4浪の末、ソウル大学に首席で合格した『勉強が一番、簡単でした』(70万部)。韓国では「受験の神」と称され、勉強に携わるもので、その名を知らない人はいない。日雇い労働者からソウル大学首席合格者になるまで、人生の大逆転を成し遂げた、韓国で知らない人はいない奇跡の物語。読後、勉強したくなる自分に驚くはず。超ロングセラー本『勉強が一番、簡単でした』から、その驚くべき内容を紹介する。
「勉強が一番、簡単でした」
「仕事と飯と睡眠」。これはある詩のタイトルだ。飯を食うために働き、働くために寝るという厳しい生活を表現したようなタイトルが深く印象に残っている。事実、仕事と飯と睡眠だけの毎日を過ごす人たちがどれほど多いことか。自分のせいであれ社会のせいであれ、夢も希望もなく、これだけで生きていくというのは切ないことだ。
仕事と勉強と遊び。高校を出て以来、私の人生はこの3つで埋められてきたと言える。自分で選択したものもあり、やむをえずやってきたものもある。この3つのうち何が一番簡単だったかと聞かれたら、私はためらわずに勉強と答えるだろう。
「これまで就いた肉体労働は7種類……でも、勉強が一番、簡単でした」
ソウル大合格後に、ある日刊紙に掲載されたインタビューの見出しだ。私は工事現場でも仕事に精を出し、かなりうまくやったと思うが、それでも勉強ほどではなかった。「勉強が一番簡単だなんて、よほど仕事がつらかったんだろう」と同情する人と、「勉強が一番簡単だとは、生意気な奴だ」と言う人がいるだろう。
だが、ここでいう簡単とは、私の頭がいいとか、生まれつき勉強の素質があるというのとは違う。私にしても、最初から勉強が簡単だったわけではない。
簡単だから勉強を始めたのではなく、必死に勉強しているうちに簡単になったのだ。「簡単」になった原因は、それが「面白い」からだった。面白ければ一生懸命にやるし、一生懸命やれば簡単になるものだ。
だから、勉強が嫌いな人はテストでいい点を取って大学に行きたければ、死ぬほど嫌な勉強に闇雲にしがみつくのではなく、まずは勉強に面白さを感じることが早道である。
人は誰でも、自分が関心を持っていたり、面白味を感じたりする分野に関わるとき、誰よりも熱意を示し、それだけ能率も上がるものだからだ。
(本原稿は70万部のベストセラー『勉強が一番、簡単でした 読んだら誰でも勉強したくなる勉強法』から一部抜粋したものです)