海外の大学に進学する人たちといえば、帰国子女やインターナショナルスクール出身者を思い浮かべるかもしれません。けれども最近は、高校まで日本の学校に行き、そこから海外の大学に進学する人たちが増えています。彼らは、子どものころに特別な環境に置かれていたわけでも、裕福な家庭で育ったわけでもありません。では彼らは、日本の教育の枠組みのなかで、どう英語力をつけていったのでしょうか。教育ライターの加藤紀子さんの著書『海外の大学に進学した人たちはどう英語を学んだのか』(ポプラ新書)では、日本の高校から海外の大学に進学した人たちに取材をしながら、さまざまな文献にあたり、英語学習の秘訣をまとめました。今回は、そのなかから、2つの秘訣を紹介します。
日本の学校に通いながら海外の大学に進学した人たち
美しい発音で流暢に英語を話す人を見て、同じ日本人なのにどうやったらあんなふうになれるのかと羨望の眼差しを向けたことはありませんか。あるいは親の立場なら、やはり早くから英語を習わせた方がいいのか、早く始めないと手遅れになるのではないかという不安に駆られる人もいるかもしれません。
幼少期から英語に触れることに効果は期待できるものの、英語を習得するのに「手遅れ」はないといわれます。でも本当に早く始めなくても、インターナショナルスクールや留学、あるいは英語の学童保育のように、幼い頃から英語にどっぷり浸かる環境にいなくても、高い英語力は身につけられるのでしょうか。
その手がかりとなるのは、日本で小・中・高と教育を受け、そこで身につけた英語力で海外の大学へと進学した人たちの勉強法です。彼らはその英語力で海を渡り、現地の学生と肩を並べて英語で授業を受け、学業をおさめています。