インフレ・円安の時代に入った今、資産を預金だけで持つことはリスクがあり、おすすめできない。「先行き不透明な時代」には、これまで投資に無縁だった人も資産を守り・育てるために資産運用を始める必要がある。このままではあなたの現金の価値が下がる! インフレ・円安からお金を守る最強の投資』(朝倉智也著、ダイヤモンド社)が発売された。本書は、投信業界のご意見番が新しい時代を乗り切る「究極の運用法」をアドバイスするお金の入門書。大切なお金を守り増やすためには、どうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

【投資のプロが教える】新興国や日本の小型株の成長に期待したい人におすすめのポートフォリオとは?Photo: Adobe Stock

日本株は小型株のみを組み入れるポートフォリオ:B-②

 次に、すべてアクティブファンドでポートフォリオを組むことを考えてみましょう。

 積極運用のコアとなる世界株式ファンドを「雪だるま」から「大和住銀DC海外株式アクティブファンド」に変えたのが「ポートフォリオ:B-②」です(下図)。

 具体的には「大和住銀DC海外株式アクティブファンド」80%、「jnext」10%、「JPMアジア株・アクティブ・オープン」10%を組み合わせています。

「大和住銀DC海外株式アクティブファンド」は日本を除く世界の株式を投資対象としているため、「jnext」を入れることにより、日本株は小型株だけを組み入れるポートフォリオとなります。

 米国株は5割程度で、新興国もバランスよく入ったポートフォリオになっていると言えるのではないでしょうか。

 このポートフォリオの10年のトータルリターンは年率17.96%、信託報酬は1.76%です。

 信託報酬の高さは気になるところですが、そのコストに見合うだけの運用実績を上げてきたことは間違いありません。新興国や日本の小型株の成長性に期待をかけたいという方には、お勧めできるポートフォリオです。

(※本稿は『インフレ・円安からお金を守る最強の投資』の一部を抜粋・編集したものです)

朝倉智也(あさくら・ともや)
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号(MBA)取得。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。1998年モーニングスター株式会社(現 SBIグローバルアセットマネジメント株式会社)設立に参画し、以来、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。SBIホールディングス株式会社 取締役副社長を兼務し、SBIグループ全体の資産運用事業を管掌する。主な著書に『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。