インフレ・円安の時代に入った今、資産を預金だけで持つことはリスクがあり、おすすめできない。「先行き不透明な時代」には、これまで投資に無縁だった人も資産を守り・育てるために資産運用を始める必要がある。このままではあなたの現金の価値が下がる! インフレ・円安からお金を守る最強の投資』(朝倉智也著、ダイヤモンド社)が発売された。本書は、投信業界のご意見番が新しい時代を乗り切る「究極の運用法」をアドバイスするお金の入門書。大切なお金を守り増やすためには、どうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

【投資のプロが教える】日本の小型株に投資するおすすめファンド2本Photo: Adobe Stock

長期の運用パフォーマンスが高い
日本の小型株の株式ファンドはコレ

 次に取り上げるのは、国内小型株です。

 相場がいいときにはTOPIXや日経平均株価などのインデックスを大きく上回るパフォーマンスを上げられる一方、相場が悪いときの下落も大きいのが小型株の特徴です。

 価格変動が大きいハイリスク・ハイリターンの資産クラスと言えますが、価格変動が大きいということは「安いときに量を多く買える」という積み立て投資のメリットが生きるという見方もできます。

 国内小型株ファンドについても、10年以上の運用実績があり、長期の運用パフォーマンスが高いことなどを条件として選別しました。下図をご覧ください。

SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト
「愛称:jnext」(SBIアセットマネジメント)

jnext」は、現時点で何らかの理由(課題・困難)のために株価が割安で、企業家精神にあふれ革新的な高成長が期待される企業の株式に厳選投資するファンドです。

 SBIアセットマネジメントの商品ですが、実際の運用は、独立系で小型株運用において高い運用実績を誇るエンジェルジャパン・アセットマネジメントに委託されています。

 このファンドは過去10年のトータルリターンが年率21.77%で、カテゴリー平均を5.27ポイント上回る高い運用実績があります。

 シャープレシオ(投信がどれだけ効率よく運営されているかの指標。数値が大きいほど効率性が高い)は1.15で、カテゴリー平均を0.33ポイント上回っており、運用効率も高いと評価できます。信託報酬は年率1.65%です。

(※本稿は『インフレ・円安からお金を守る最強の投資』の一部を抜粋・編集したものです)

朝倉智也(あさくら・ともや)
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号(MBA)取得。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。1998年モーニングスター株式会社(現 SBIグローバルアセットマネジメント株式会社)設立に参画し、以来、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。SBIホールディングス株式会社 取締役副社長を兼務し、SBIグループ全体の資産運用事業を管掌する。主な著書に『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。