日銀は28日、金融政策の正常化に向けてまた一歩踏み出した――いや、本当にそうだろうか。投資家は日銀の長短金利操作(YCC)に関する最新の動きを読み解こうとしているが、世界3位の経済大国の中央銀行による数十年にわたる政策実験に伴うリスクに「混乱」を付け加えよう。
日銀が短期金利をマイナス0.1%に据え置いたことで、日本は世界の主要国で唯一、政策金利がマイナス圏にとどまった。一方で日銀は、10年物日本国債利回りの管理政策を緩和した。これまで日銀は0.5%の上限を守るために市場に介入していたが、植田和男総裁は、この水準は「めど」にすぎないと述べた(それが何を意味するにせよ)。その代わり10年物国債を利回り1%で買い入れると約束することで、これを事実上の上限とすることを示唆した。