「将来のお金が不安」「貯金や投資なんて余裕はない」「買い物を楽しめない」──お金の悩みは尽きることがない。そんな中で「若い人ほど読んでほしい」「お金の知識を網羅的に学べる」と絶賛の声を集める本がある。『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』だ。誰でも今日からスタートできる「お金の増やし方」を提示し、世界で累計100万部突破した大ベストセラーだ。Amazon.comでは1万件以上の星5レビューが集まり、全米から世界中へと本書の実践者が増えている。本稿では本書から一部を特別に公開する。
「貯蓄の強迫観念」でお金を使えなくなっていないか?
パーソナル・ファイナンスの専門家が何よりもやりたいことは、あなたがお金を使う際に罪悪感を抱かせることだ。
彼らが書いた文章を読んだことがあるだろうか?
「友人と遊んでいるとき、外で飲み物を買っている? 水じゃダメですか?」
「バケーションを取っている? 公園で散歩でもしたらどうですか?」
「なぜ新しいジーンズが必要なんですか? 汚れたジーンズの方が味があると思いますよ」
もし彼らの言うことを真に受けていたら、人類全員が庭で食べ物を育てる自給自足農家になってしまう。私も『怒りの葡萄』は愛読書だが、そんな生活を望んではいない。
パーソナル・ファイナンスの専門家の界隈では、ある1つの支出を取り上げて、そのお金を40年間投資に回せばいくらになるのかを計算し、あなたに罪悪感を抱かせる手法が流行っている。
例えば、もしバケーションに使う予定だった2000ドルを投資に回して40年間、運用すれば、4万ドル以上の価値になるといった具合だ。
USAトゥデイは「サンドイッチ1つがいくらになる? 9万ドル分の貯蓄を失う」という記事を載せていた。
リッチな生活という観点から見ると、1セント単位で支出を切り詰めたり、サンドイッチ1つが9万ドルの価値になるなどと計算していたら、必ずどこかで道を踏み誤っている証拠だ。
倹約家のお金持ちが後悔していること
こうした記事を何十年も読み続けていると、少しずつ自分が変わっていく。
記事の内容を信じるようになる。
お金を運用する唯一の方法がお金を貯めこみ、やらないことリストを延々と増やし続けることだと考えるようになる。
間もなく、罪悪感は外部の世界からではなく、あなた自身の内側から生まれるようになる。
例えば、年収20万ドル以上稼いでいるにもかかわらず、自分のためにお金を使えないという人を山ほど見てきた。
半年に一度、高級なレストランで食事をすることすらお金の無駄だと思っているのだ。
彼らは倹約の牢獄に自ら入っている。
あなたはインターネットの掲示板に次のように書き込む人物にはなりたくないはずだ。
「ここ数年の自分の人生と銀行口座を改めて振り返って感じることは、もっといろいろな経験を積め、もっと情熱を感じられるなら、今持っている貯蓄の大半を失い、もっと長く働いてもかまわないということだ。これまで貯蓄は築き上げてきたけれど、自分らしい人生は築き上げてこなかった」
多くの専門家が「心配」、「不安」、「罪悪感」といった言葉で煽っていることに気づいているだろうか?
彼らのアドバイスが、やってはいけないことから始まることに気づいているだろうか?
彼らの考え方は、基本的に攻めではなく守りなのだ。
私のアプローチは全く異なる。
人生において大きな勝ちさえ収めていれば、ランチの値段を気にする必要はない。
お金という文脈において、「心配」や「罪悪感」といった言葉は必要ではないのだ。
罪悪感を抱くことなく、自分の好きなものに使えるお金がある。
サンドイッチだけではない。忘れられないバケーション、すばらしい家族へのプレゼント、自分と家族の安全。あなた自身が決めよう。
罪悪感を抱く必要はないのだ。
(本原稿は、『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』からの抜粋です)
ウェブサイト「I Will Teach You To Be Rich」を運営し、お金やビジネス、心理学について幅広い読者に向けて情報を発信している。これまでにThe New York Times、Fortune、The Wall Street Journalなど多くの経済メディアで取り上げられてきた。スタンフォード大学でテクノロジーと心理学を学び、現在は妻とニューヨークに住んでいる。2023年4月より、Netflixでラミット・セティを特集した『ハウ・トゥー・ゲット・リッチ』が全世界に配信。