おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。

「一生、独身かも」と思ったら、見直すべき保険とは?Photo: Adobe Stock

独身者に必要なのは「生きるための保険」

「このままずっと独身かも」と思ったら、そのタイミングで保険の見直し(入っていない場合は加入の検討)をおすすめします。
 頼れる家族がいない独身者にとって、保険は、病気や要介護、働けなくなった時に自分を助けてくれる大切な味方です。

 ただし「とりあえず」で入っていては、無駄や不足が必ずあるのが保険というもの。いざという時に備え、“コスパのよい保険”へと見直しておきましょう。

 独身者に必要なのは「生きるための保険」です。

「生きるための保険」とは、医療保険・がん保険や就業不能保険・介護保険など。
 死亡保険は、「仕送りをしている人がいる」「自分の死んだあとの処理を頼む人に残したい」といった明確な目的がある人以外は基本的に必要ないといえます。

「お宝保険」は解約しなくてよいが、入院給付金などに注意

 1990年代前後に契約した保険の中には「お宝保険」と呼ばれるとても利率のよい保険があります。死亡保険はいらないと言いましたが、こういった保険は解約してはもったいない。終身保険や年金タイプならそのまま持ち続けておきたい保険です。

 とはいえ、独身者の場合、この保険も「生きるため」に使いたいところです。「将来年金で受け取る」「必要な時に一時金で受け取る」など、どんな受け取り方ができるのかを確認し、老後資金の一助としましょう。

 ただし、こういった「お宝保険」であっても、そこに「入院給付金」などの特約がついている場合は要注意です。
 昔の特約は保険料が割高で内容も悪いものが多いのです。今の医療保険のほうが、保険料も安く保障内容も充実しているものが多いので、比較してみてください。今も保険料の支払いが続いている特約で、不要だと思うものは解約してしまいましょう。
 独身者が保険にかける費用は、手取りの月収の4~5%以内をひとつの目安にしてください。本書では、独身者に有用な保険をいくつか紹介していますので、自分が必要だと思うものを、この目安の中で選ぶといいでしょう。

意外とおトクな無料の付帯サービスをチェック

 保険を選ぶ時に、保障内容以外でチェックしておきたいのは、生命保険会社が提供する「無料の付帯サービス」。これが、結構おトクで使えます。

 24時間電話で健康相談ができるサービス、セカンドオピニオンサービスや全国の名医を紹介してくれるサービス、心理カウンセリング、人間ドックの割引、映画館やスポーツクラブやレジャー施設の優待サービスなどなど。こういったサービスもしっかりチェックして、検討するとよいでしょう。

 *本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。