今年2月、19歳のウクライナ兵ルスラナ・ダニルキナさんは同国南東部ザポリージャ周辺の前線付近で砲火を浴びた。砲弾の破片が、彼女の左脚を膝上から引きちぎった。ダニルキナさんは切断された太ももの骨をしっかりとつかみ、衛生兵が彼女を病院へ搬送する車の中に断ち切られた脚を置くのを見た。  「私は手で骨をつかんでいた。その場ですぐに、これで終わりなのだ、私の人生が元に戻ることはないと悟った」。ダニルキナさんはこう当時を振り返る。  義肢メーカーや医師、慈善団体の推計によると、ロシアによる侵攻開始以降、四肢の一つ以上を失ったウクライナ人は2万~5万人に上る。ダニルキナさんもその一人だ。