パターン3:相手のことを持ち上げる

 3つ目は少し特殊です。相手との関係性にもよりますが、芸人だとフリ・オチの関係もあり、このパターンは非常に多いです。このパターンでは、「自分は能力が低いので...」と言われた際、

「そんなこと言って、実はいろいろ考えてんのやろ?」

 と返します。相手をまるで策士のように持ち上げることで、暗い雰囲気を明るい雰囲気に変えてしまうのです。

 あまりにも真剣な相談には向いていませんが、芸人同士の場合は、「いや、考えられんから悩んでんねん!」と相手自身がでオチをつくれたり、「え? バレた?」とそこをフックにして真面目な話にシフトしたりできます。

 人によっては、「本当は、その先まで聞いてほしい」と思ってあえて話を振ってきている場合もあるので、そういった際はこうして、雰囲気を和らげつつ、相手の思うような流れに乗ることも重要です。

 ここまで3つのパターンを紹介してきましたが、これらだけが正解ではありません。あくまでコミュニケーションですから、相手や状況にあわせて出しわけをしてくことが大事ですが、頭の回転が速い売れっ子芸人だったらこうするというのをパターンとして持っておいていただけるといいかと思います。