「仕事ができない社員」と「スター社員」、上司はどちらを伸ばすべきか?写真はイメージです Photo:PIXTA

リーダーが伸ばすべきは
“スター社員”か、“できない社員”か

 昔、ある会社の集まりに招かれた時、私は衝撃を受けました。その会社の役員の一人が壇上で、働くアリの研究を例に、「アリのコロニーには2割ほどは働かないアリが常に存在する。うちの組織も同じだ」と話し始めたのです。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 働くアリの研究やパレートの法則から派生した「2対6対2の法則」を社員に当てはめて、檄(げき)を飛ばしたがる経営者は少なくありません。

 しかし、私は、これは「うそ」だと思っています。うそというのは、会社の組織や社員には当てはまらない場合も多いという意味です。このような法則を、無理やり会社に当てはめようとするのは誤りなのです。

 もちろん社員を成績順に並べて、2対6対2に分けることはできます。でも、そのように分けることに意味があるとは思いません。