「仕事でお手本にする人」どう選ぶ?憧れてもいいが心酔はダメな理由写真はイメージです Photo:PIXTA

仕事のお手本にする「ロールモデル」は
「社外の人間」でもかまわないが

 以前このコラムで「うまく憧れる」という話をしました。いわゆる“お手本となる人物”を意味する「ロールモデル」は、「うまく憧れる」対象になりますが、注意も必要です。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 一般的にロールモデルの対象は、経営者を目指すポジションにいる人なら自社の社長など、一般社員なら上司や先輩になるケースが多いでしょう。

 しかし、終身雇用制が崩れてきている今は、社内に限らず社外の「面白そうなことをやっている人」「自分の価値観に合っている人」をお手本にしてもいいと思います。

 特に転職が当たり前になっている現代では、自社だけにとどまらず、広く目を向けてロールモデルを探すのもいいと思います。歴史上の人物でもかまいません。

 ただ、ロールモデルを持つ上で重要なことは、まず、自分というものをしっかり持つことです。自分がしっかりあって、その自分をより良くするためのロールモデルです。

 私はずいぶん前に、一代で東証プライム上場会社を築いた社長から、「どんな良いコンサルタントの言うことでも自分は70%しか信じない」と言われたことがありますが、その通りだと思います。自分というものをしっかり持った上で、憧れる人などの生き方や意見を参考にするのです。

 では、経営者を目指す人はロールモデルをどのように見つけ、その人からどう学ぶべきなのでしょうか。