最初の視点は「鳥の目」である。高い所から見下ろすように、全体を見渡しながら記入していこう。

 2番目の視点は「虫の目」である。一つひとつの小さなマスに入り込み、ミクロの視点で細部を注意深く観察しよう。

 最後の視点が「魚の目」である。魚のように回遊しながら、全体と部分の関係性をしっかりと監視することが必要だ。

 もちろん、最初からすべてのマスを埋める必要はない。常時持ち歩いて、何かひらめいたときに書き足していけばいい。あなたの目標を実現するために、あるいは目標自体にあなたが気づくために、ぜひこのシートをご活用いただきたい。

図_大谷翔平選手が花巻東高校1年時に立てた「目標設定シート」大谷翔平選手が花巻東高校1年時に立てた「目標設定シート」 拡大画像表示

自分を信じる心と努力が
不可能を可能にする

「なぜ大谷は一流のメジャーリーガーに上り詰めることができたのか?」

 その秘密の1つは、彼は飛び切りの「ポジティブ思考」の持ち主だという事実である。しかもそれは、日々のちょっとした工夫で身につけてきた面が大きい。

 また、もう1つの秘密は、これまでの人生を通して、一貫して「自分を超える」ことに努めてきた彼の行動パターンにある。

 こうした思考や行動パターンで、大谷は今までの選手とは違う、「二刀流」という誰も真似することのできないワザを身につけることを成し遂げ、偉大なメジャーリーガーになった。事実、彼の野球人生を振り返ると、何度となく、ケガやスランプといった壁にぶち当たっているが、彼特有のその思考と行動により、見事に短期間で窮地から脱出し、かえって大きな飛躍を遂げている。

「初めての経験なのでまた(オールスター戦に)来られるように、と思わせてくれる素晴らしい経験だったかなと思います。全体的に、球場入りから試合入りから、ホームランダービーもそうですし、こういう雰囲気ってなかなかシーズン中もないですし、本当に野球が好きな人たちがこれだけ集まって、すごくいい雰囲気だった。」(2021年7月開催のオールスターゲームに出場した感想について語った言葉)

 2021年7月13日、大谷はコロラド州デンバーのクアーズ・フィールドで開催された第91回オールスターゲームに出場。史上初となる投打での二刀流出場を果たし、メジャーの歴史に名を刻んだ。

「メジャーリーガーとしてオールスターゲームに二刀流で出場する」

 誰もがそんなことは無理だと思うだろう。でも大谷は、それを確実に「できる」と信じ、その通りのことを実現させた。