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プレイステーション4はビジネスになるのか?
「家庭用ゲーム機終了説」を検証する

石島照代 [ジャーナリスト]
【第36回】 2013年3月5日
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ダウンロードコンテンツの売上増加で
ゲームコンテンツの米国市場は拡大?

 日本では、いわゆるソーシャルゲームの勃興とタブレット端末の普及で、家庭用ゲーム専用機不要論が声高に叫ばれているが、家庭用ゲーム機ビジネスはもう終わりなのだろうか。そこでまず、日本の約2倍の市場規模を持つ米国市場の動向から確認してみたい。

 「家庭用」のセグメントは、小売り流通を使うパッケージソフトの販売総額である。また、「その他」の中には、スマートフォンやタブレットのアプリ売上だけでなく、家庭用ゲーム機用のDLC(ダウンロードコンテンツ)、定期会費などが含まれていることに留意してほしい。

 ここで注目したいのは2011年度で、全体的に規模は縮小しているものの、「その他」部分を見れば2年間で30%伸びている点だ。

 ある業界経営幹部にこのデータを見てもらったところ、「伸びしろの部分は、アプリ売上の影響も当然あるが、北米の場合、ゲームコンテンツ売上の中の約3割を占めるDLCの売上も無視できない。PS4もブルーレイを積むにしろ、クラウドを重視しているのは、当然DLCビジネスを見越してのこと。ソニーに限らず、すべてのハードでダウンロード市場は今後拡大することは間違いない。なので、その他のうち3割を加算して考えた方が、家庭用ゲームコンテンツの実勢値に近いように思われる」とのアドバイスをもらった。

 そこで、修正を加えた推定値が右端のグラフである。パッケージ、ダウンロードも含めると、2011年度時点のゲームコンテンツ販売金額の総額は100億米ドル(約9000億円)を超えていたということになる。

 ただし、昨今タブレット端末用のアプリの売り上げはすさまじく、昨年の7月の時点でアプリ売上において、タブレットが占める割合は4割を超えていることが分かっている。この件に関してカプコンの一井克彦専務は当時、「カプコンのブランドは全部、スマホやタブレットでも遊べるようにしたい」と話していたので、ゲームコンテンツのハードボーダレス化が今後も加速するのは間違いないだろう。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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