中国の景気は8月も低迷した。長引く不動産市場の不振が深刻化し、工場は輸出の落ち込みで打撃を受け、消費者の財布のひもは固いままだった。
8月31日に公表された新たな一連の経済指標を受けて、中国の政策立案者には経済成長の回復に向けて一段の措置を取るよう求める圧力が強まっている。多種多様な的を絞った対策が採られてきたが、これまでのところほとんど効果は表れていない。31日夜には、中国人民銀行(中央銀行)が住宅購入資金を借り入れる人の一部を対象に、頭金の最低比率を引き下げた。住宅購入を促進する狙いがある。中銀は金融機関が既存の住宅ローンの金利を引き下げることも容認した。
しかし極めて高い若者の失業率や輸出の急減、不動産セクターの悪化に中国経済が悩まされる中、多くのエコノミストは、一連の断片的な措置は有益ではあるが、家計や企業の経済への信頼感を回復させるには不十分だとの見方を示す。