中国政府が医療部門全般を対象にした大規模な反腐敗運動を実施している。医療費を抑え、低迷する国内経済を立ち直らせる狙いがある。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が政府の開示情報を調べたところ、共産党執行部は、中国全土の病院や医療機関を対象にした一斉捜査を行い、今年これまでに病院の党委員会書記、院長、副院長190人余り(現職、元職を問わず)を拘束した。ある省の党幹部は、2010~15年に医療改革を監督する政府責任者を務め、その後引退していたが、今年8月下旬に「重大な規律・法律違反」を犯した疑いで拘束された。これは汚職の遠回しな表現だ。こうした活動に投資家は警戒を強めた。中国の大手医薬品・医療機器メーカーで構成されるCSI300ヘルスケア指数は年初来15%安と、CSI300指数の3.5%安を上回る下げとなっている。